12月の8日はお釈迦さまが仏のさとりを開かれた成道の日でもあります。
今から2600年前王子としてお生まれになられた太子は、
29歳で城を出られた。
出家されたわけです。
驚いたお父さんの浄飯王が5人の家来に命じて
何としても戻ってくるようにと探させた。
すると太子は、苦行林という大変激しい修行をする林の中で坐禅を組んでおられた。
五人の家来は、
『太子様こんなところで一体何をなさっているのですか。
あなたはやがて王となる方。
老人でもない。
病気でもない。
財産を失ったわけでもない。
家族と死別して世をはかなむ人でもない、それなのにどうして、
どうしてこんなところで修行されているのですか』
『奥様も御子様もみなあなたのお帰りを待ち望んでいるんです。
私たち家臣もあなたに期待しています。
父親様も帰りを待たれています。
どうか修行を辞めて
帰っていただきたい』
と切々と説得する家来達に言われた言葉があります。
『お前達には分からないのか!あの激しい無常の嵐が、まだ分からないのか!
ものは皆常住しないのだ。
いずれの日にか衰え、何れの日にか滅ぶ。
快楽のかげにも無常の響きが籠もっているのだ。
美女の奉ずる弦歌は欲をもって人を惑わすのみだ。
三界は悩みのみ。
猛き火の如く、浮かべる雲の如く、幻や水泡の如し。
若きを愛すれど、やがて老いと病と死のために滅びさるのだ』