神道にも、イザナギとイザナミの日本を生んだ国生みの物語があります。
それは、ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も共通して、エホバという創造主がいます。
3日目に太陽と月をつくったとか6日で世界を作って、7日目は日曜日にしたと言っています。
ところが、仏教ではそういう、創造主はいません。
万物は因縁生なりと教えられています。
この世のすべては因縁によって生じたということです。
米はもみだねを因として、空気や土、肥料などを縁として生じた結果です。
雲や霧もそうですし、雨も、雪もそうです。
天地創造では、神の因は何ですか?と聞いたら、何も出てきません。
第一原因があると、すべては因縁から生じたことにならないのです。
仏教では、
芥子粒の中に三千大千世界を入れて広からず狭からず
と教えられています。
芥子粒という小さな小さなものも、因縁によって生じています。
因を遡れば、その前に芥子の花があり、その種があり、その前の花があり……とどこまでも遡れます。
また、縁をみれば、空気があり、太陽があり、大宇宙が一つの芥子粒ができるのに関係しています。
このように、因縁によって生じているということは、大宇宙がこの芥子粒におさまっているということです。
すべては因縁によって生じたと教えている仏教には、神によって天地ができたなどという天地創造神話があるはずがないのです。