源信僧都の横川法語っていうのがあります。
三悪道を離れて人間に生るること、大なるよろこびなり。
身は賤しくとも畜生に劣らんや、
家は貧しくとも餓鬼に勝るべし、
心に思うことかなわずとも地獄の苦に比ぶべからず。
このゆえに人間に生れたることを喜ぶべし。
とこういう風に続いていきますけれど
人生にはなかなか思い通りにならないことがあります。
心に思い描いたとおりにならないことがあってカンシャクを起こします。
どうして僕だけとやけっぱちになるようなことが人生にあると言いましても、
この世で苦しいとか辛いとかいやだとか投げ出したいとか
そういう苦しみと私たちが一息切れて
八万劫中受ける苦しみとは全く比べものにならないと
横川法語で源信僧都が教えられています。
ところが私たちにはセミは春秋を知らずって言われるように
これからどこに向かっていくのかが分からないで
わずかアブクのような事しか智慧が及ばないために、
自殺したり、
逃げることばかり考えています。
しかし、 自殺すれば地獄に舞い戻るだけですので、
仏教を聞いて、この世でその一大事を解決しなければなりません。