阿弥陀仏がまだ仏のさとりを開かれる前、
法蔵菩薩という名前の菩薩だった頃、
世自在王仏という仏のお弟子でした。
ある日、法蔵菩薩が先生の世自在王仏のもとへやってきて、
「先生、ひとつお願いがあります」
と手をつきます。
普通お願いというのは、自分の利益になることばかりです。
中米での地震で苦しんでいる人に幸せになってもらいたい
とはなかなか思えません。
法蔵菩薩はどういうお願いをされたのかというと、
「どうか十方衆生を助けさせください」
ということです。
十方衆生とは、大宇宙の全ての人です。
この中に入らない人はありません。
このように法蔵菩薩が世自在王仏に
「どうか助けさせてください」
とお願いをされるということがありました。
これは、いいこと。
いいことなら、先生に聞かなくてもいいのではと思う。
なぜか。
仏教ではどんないいことでも、許可を得ていなければ悪いことになってしまう。
それは本当にいいことかどうか、
迷いの深い私たちには、判断できないからです。
仏道を求めるときは、私たちもそのようにすべきなのです。