権力者は、権力を持った人なので、人間の本性を表します。
それは、一言でいうとどんな本性でしょうか。
「自己中心的」です。
やりたいことは、何でもできますので自分勝手になります。
王舎城の悲劇で、ビンバシャラ王と韋提希夫人は、
自分たちの世継ぎのためということで、修行している者を殺そうとします。
しかし、みんな喜ぶ、修行者も喜ぶと言っています。
人の為と書いて偽りと読みます。
表面的にはみんなのためと言っていますが、
実際はどうかというと、自分のためです。
それが証拠に、わしの命が聞けないとなったら、
態度がガラッと変わり、怒りを露わにします。
それが本性です。
みんなのためと言いながら、実際は自分のためにやっています。
気に入らないと思ったら、すぐに首をはねます。
これは、私たちの本性を見せつけています。
人のためといいながら、全部自分のためです。
年末に謝恩セールがあります。
この品物50%、60%オフです。
「恩に報いるため」
と言いながらやっています。
しかし、本当にそうでしょうか。
実際は、利益があるからやっています。
もし本当に恩に報いたいのなら100%オフにしてほしい。
これで一儲けしようと思っています。
あるいは選挙などで、
「あなたのために働かせてください」
本当にそうでしょうか?
当選したいだけです。
私たちは偽善者です。
ビンバシャラ、韋提希のセリフを見ていると、分かりやすくなります。
偽善だとすぐに分かります。
権力者の常套手段です。
あなたのためと言いながら、意にそぐわないと「おのれ」
と怒ります。
では、私たちはどうでしょうか。
そういう心は私たちにもあります。
しかし表すことができません。
そういう権力を持たないから、できないだけです。
あったらやります。