仏教研究室

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踊る大捜査線と警察組織

踊る大捜査線って知ってる?
以前、大ヒットした映画です。
何でそんなに人気があったのか。
それが気になるところです。

ここで一つポイントとなるところ、
それが踊る大捜査線に警察組織に対する風刺が描かれていました。

警察組織。完璧な階級制度、
ヒエラルキー封建社会ピラミッド型階級がついています。

お巡りさんから警視総監県警本部長警視総監。
その一番上にいる人たちキャリアといわれます。
キャリア組と言われる人たちです。

踊る大捜査線柳葉敏郎がキャリアを演じていました。

それに対して織田祐二キャリアではない役。
下の方です。
たたき上げ、デカ。
お巡りさん的な。

キャリアって言うのは国家一種に合格した東大文一的な人がなります。
特徴としては若くして上の方に入られます。
上の立場にいられます。
30歳ぐらいで上の立場にいられます。

それに対して織田裕二みたいなキャリアでない人は
40歳50歳になっても下の方です。

このあたりまでしかいけません。

30歳ぐらいの自分より若い人たちに命令されて大変です。
上の人キャリアの人、給料がいいです。

下の方の人全然届きません。
どれだけがんばっても届かないくらいの給料の開きがあります。

不条理な世界です。

織田裕二の有名なセリフに
「事件は会議室で起きているんではない。現場で起きているんだ」
というのがあります。

キャリアいつも会議室に座っていろいろ話して命令しています。
指示を出します。
何千何百人の人を動かします。

実際に現場で活動している人、寒い中でも必死で張り込み、
あんパンでもかじりながらつらく厳しい活動です。
で、これがヒットした背景にちょうど同じ頃、
実際に県警で問題が起きました。

マスコミで取り上げられました。
たとえば神奈川県警。
新潟県警

神奈川ではどういうことがあったかというと、
部下の不祥事を覚醒剤を隠し持っていました。
その事実を上司が隠蔽したということがありました。

それが明らかになって、大変に問題になりました。
なぜ部下の不祥事を隠したのか、
というとキャリア組の人たちが、
部下に不祥事があったということになると上司の責任になってしまい、
出世できなくなってしまうからです。

キャリアで入った人は出世したいと思っているのに、
そういう不祥事が一つでもあっただけで出世コースが閉ざされてしまいます。
とくに神奈川県警の本部長、というのは
出世の登竜門といわれていてほかの県警に比べて
非常に社会的な立場が高い、影響力が強い、
たとえば田舎のほうの山形県警秋田県警、にくらべて影響力が強い。

でそういう不祥事をもみ消した。
新潟ではどういうことがあったかというと、
少女監禁事件がありました。
17年間変態男が監禁ていた。

それが見つかって大変な事件だと警察が捜査に入った。

でそのとき問題になったのが、そのちょうど捜査しているときに
新潟県警本部長は何をしていたかというと、
中田関東管区長というひとと雪見酒温泉で雪見酒を飲んでいた。

それが大変な話題になりました。
部下が捜査しているのに本部長が雪見酒飲んでいるとは何事だ。

その中田関東管区長という人は
その名の通り関東から来ていたのですが、
何をしに来ていたか。

というと監査のために来ていました。
警察の上部の人たちの不祥事が問題になっていました。
そういうことがないようにチェックします。
そのために新潟に来ていました。
しかし監査とは名ばかりで雪見酒を飲んでいました。
事件が起きても旅館からでてきませんでした。
そいうことで社会批判を受けることになりました。

その階級組織の特徴として
下の人というのは苦労が多いのに、
給料が少ないのです。

だから出世して上の方に行きたい、と思うんですが
昔から
「楽は下にあり」
キャリアといわれるような立場が上の人たちは
さぞ楽してお金をもらっているんだろう、
大して仕事をせずにお金をもらって入るんだろう、と思いますが、
決してそうではないんです。

立場が上になるだけ責任が重くなります。

なぜ今回そういった不祥事が明るみに出たかというといままでも
そういうことはあっただろうけれど、
明るみにならなかったのは封建社会、上から押さえつけられて、
下の人は言うことができまんせでした。

しかしその封建社会が弱まってきたのか、
内部からマスコミにたれ込みがあって明らかになりました。
下の人は上の方に行きたいけれどなれませんでした。

ということで、そのキャリアの人、
立場が上の人たちをうらんで嫉妬して
引きずりおろしたいと思っていました。

こういうことは警察だけに限らず
一般に組織企業とかではあることで、
三菱自動車でも問題になっていることがあります。

不良品の車を出していたのにそれを隠していました。
それも下の人のたれ込みによって、世間に明らかになりました。

マスコミに出ました。
上の立場の人たちそういう社会批判を受けることになった。
下からつつかれて、
いつこの立場から落ちてしまうかという
恐怖観念を持っています。

頂上にのぼることはできても、とどまっていることはできない。
必ず落ちる運命にあります。
そのため、いつ落ちてしまうか不安があります。

有頂天という言葉がありますが、頂点にいるとうらまれる、
ちょっとしたスキャンダルがあるとつかまれてしまう。
叩かれます。

下の方にいる人はスキャンダルが大好き。
スキャンダルはないかと探しています。

特に若くして上に立った人は
叩かれるということに対してもろいのです。

人は山の頂上に登ることはできますが、そこに長くとどまることはできません。
求むべきは絶対変わらない絶対の幸福です。

 それは仏教に教えられています。