仏教の目的は、抜苦与楽です。
苦しみを抜いて、楽しみを与えるということです。
苦しみといえば、仏教で説かれる有名な苦しみに、
四苦八苦があります。
抜苦与楽の身になるとこの四苦八苦はどうなるのでしょうか。
生死の苦海は変わりませんからあるのですが、障りにならない。
嫌なのは当然です。
でもそれが障りにならない。
たとえば怨憎会苦なら、獲信したら過去の因縁が懐かしめる。
嫌な奴がいるけれども過去に因縁があったのだなと
過去の因縁を懐かしむことができます。
例えば学生時代、学校が、嫌で嫌でたまらなかったが、
卒業式で、最後去っていくとき。
嫌な学校に行かなくてもいいという気持ちもあるが、何か懐かしくなる、
寂しくなる。
これでこの正門を二度とくぐることはないのかと思うと、寂しくなります。
今ケンカしている憎たらしい人があってもそれは過去世に御縁があったからです。
過去の因縁が懐かしく感じられる。
怨憎会苦はありますが、それがそういう風に味わえる。