天才科学者の名を欲しいままにしていました。
試行錯誤を繰り返し、ナチスは途中で放棄したんだけど、アメリカは成功しました。
アリゾナで実験。
きのこ雲ができた。
爆風がすべてを吹き飛ばす。
それを見たオッペンハイマーは、歓喜の声をあげました。
その時の写真が残っています。
研究者が集まっています。
その真ん中で右手を天高くつきあげているのが彼。
ほら、ロッキーみたいな感じ。
原爆が使われたのは広島・長崎。
その惨状が聞こえてきます。
聞くたび、彼はふさぎ込んでしまいます。
数年後、大学で講演会を依頼されてそこで言った言葉です。
「私の手は血塗られている」
50歳の彼は70歳の老人にみえた。
廃人でした。
「哲学なき科学者の悲劇」です。
科学 はいいものか悪いものか。
どっちでもない。
科学 は、私達の生活を便利にもしたがその反面、新たな恐怖に陥れました。
科学 はあくまで道具です。
それを使う人間によってよいものにも悪いものにもなります。
政治も経済も科学 も医学もみんなそうです。
それらのものをどんな目的に使うかによって、技術の価値はかわります。