仏教と聞いたら自分と関係ないと思っている人ばかりです。
それどころか怪しいと思っていたり、うさんくさいと思う人がたくさんあります。
ところが最近、ビジネスパーソンの中には、仏教を学んでいるという人が多くあります。
その理由の一端が、仏教の教えの深さにあるように思います。
東洋大学の竹村牧男学長の書いた『哲学としての仏教』という本があります。
「はじめに」に
仏教というと、どんなイメージであろうか。
仏教と聞けば、まずお寺を思い浮かべるであろう。
それは、家の近くのお寺であろうか。……そして結局、仏教とは葬式をする宗教だ、などというところに落ち着くのかもしれない。
よく葬式仏教などといわれるように、一番に仏教はもっぱら死者の供養に関わるもの、と思われたりしているようである。……
このように、一般人の考える仏教は葬儀だといっています。
ところが、その後にこのように続きます。
とはいえ、もちろん本来、仏教は葬式のためだけにあるものではない。むしろ生きる人の、生きていくことの拠り所となるためのものにちがいない。
さらにこう続きます。
昔からの仏教は哲学的で、知性を重んじ、客観的な真理を追究するものでもあるのだ。今日の哲学に勝るとも劣らない、深い知性があるのである。それはきっと人びとの人生を、なんらかのしかたで豊かなものに深めていくことであろう。
このようなところが、ビジネスパーソンや知識人が学びたいと思うところなのでしょう。そして、仏教には本当の生きる意味が明らかにされているところも、現代人に人気のあるところだと思います。