仏教研究室

お釈迦さまってすごいですよね。一緒に仏教を学びませんか?

豊臣秀吉も不安はなくならない

豊臣秀吉は、尾張中村の水飲み百姓から、一代にして、太閤にまでのぼりつめた男です。

 日本でいちばん出世した出世頭。
太閤記はよく大河ドラマになって、今でもよく売れている。
サクセスストーリーを地で行った人です。

聚楽第大阪城、黄金の茶室、奥さん、ねね、ちゃちゃ、とか、きれいな女性もたくさん手に入れた。
日本中の金山を発掘してお金も手に入れた。

あるとき、鶴が逃げた。
秀吉「捨て置け、捨て置け」
「鶴も外国までは飛ばぬであろう、それなら、わしの庭じゃ」
と言ったという。

その秀吉、大阪城のありとあらゆる所に、隠しぼりを用意させた。
いつでも逃げられるように。
風呂まで、戦々恐々としているということ。
風呂なんて、丸裸になって入るところ。
びくびくしているなんて考えられない。
これもやはり有無同然。

一体、これではどんなことが幸せなのかわからなくなってしまう。
限られた一生で本当になすべきものはなんなのか、求めるべきものはなんなのか?
わからなくなってしまう。

人生の目的は、そういうものではなくて、完成があるもの。
崩れない、いつ死んでも後悔なし、という大安心大満足の幸せ。
これを昔の人は、平生業成といわれた。
平生、元気なときに、人生の大事業が、完成するのである、ということ。
ここで、人間に生まれてきてよかった、生きてきてよかったという、本当の喜びがおきるのです。

 


仏教の平生業成に潜む本当の生きる意味の見つけ方【生きる目的よくある3つの誤解】