『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』という本があります。
名越康文さんという精神科の医者の書いた本です。
なぜ悩みがつきないのかというところで、
なぜこれほど恵まれた生活を送っている僕らの心の中に、不安があるのか。
それは、僕らがある一つの「問い」に答えを出していないからです。
その問いとは、
「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」です。(『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』)
と言っています。
なぜ悩みがつきないのかというと、どうせ死ぬのになぜ生きるかがわからないからということです。本当の生きる意味が分からないから、悩みがつきないのです。
そして、その本当の生きる意味の答えは、仏教 にあると言っています。
不安というのは、芥川龍之介は、『侏儒の言葉』で、将来に対するぼんやりとした不安があると言っています。
そんな不安が起きてくるのは生きる意味が分からないからなのです。
そのあと名越康文さんは、ブッダの四門出遊の話を出しています。
ところがこの名越康文さんは、10代の頃に、どうせ死ぬのになぜ生きるのかという問いを発したのに、仏教 に出会ったのは48歳の時だと言います。
40年の回り道をしないので、皆さんには回り道をしないで仏教 に出会って欲しいとのことです。