仏教研究室

お釈迦さまってすごいですよね。一緒に仏教を学びませんか?

虚しい仕事・虚しい人生とは?

九州に行くと、有明海というものがある。
そこで伊勢早湾の干拓で海苔がとれないと困っている人たちがある。
そこでこんどは水門を開けようとすると
こんどは伊勢早湾側の人たちが
ふざけんなといって社会問題になっている。

海苔がとれないと生計が立てられない人たちがある。
海苔がまったく取れないわけではない。
黄色くなっていて売り物にならない。
食べられないわけではない。
でも売り物にはならない。
大変な労力をかけてとっているのにまったくそれが意味がない。

むかしチッソという企業があった。

そのチッソが流す汚水によって海が汚染され、それによって魚が汚染されてし
まったことがあった。
そこでとれた魚は誰も買わない。
そこでその汚染業者が「うちがその魚、買い取りましょう」ということ
になった。

チッソが魚を買ってくれる。
これで漁師の人たち文句ないはず、
しかしの人たちはみんな怒ったり、
いやになってしまう人たちがいた。

どうしてか?チッソは買い取った魚をみんな捨ててしまう。
どうせ捨てるような魚のために
朝早くから漁にでるのは我慢ができない。

漁師の喜びは市場にならんだ魚を買って、
お客さんが「ああ、おいしい」と
いってくれること。
ただ金のためだけなんてあまりにも虚しい。

ドストエフスキーの「死の家の記録」というものがある。
アメリカとドイツの戦い。
ヒトラーは変態。
ヒトラーはピアノ線の首吊りとか
させていた。
普通のロープではなくてピアノ線で首をつらせると
最後には首が切れてしまう。
それをみて高笑いしていた。

次第にアメリカが優位に戦いを進めていくと逆にアメリカが
ドイツ兵を捕虜にしていくようになった。

しかし、ABCボムというものが禁止されるようになり、
あまり残虐なことはできない。
人道的に非難される。

そこでドイツ兵というものを
一見残酷にみえないように殺す方法を
アメリカの心理学者が考えた。

捕虜を大地につれていった。
穴を掘れという。
つぎの日にお前の掘った穴をうめろという。
「あなたの指示に納得できません」
「納得のいかないことはできません」
とかは捕虜の立場では言うことができない。

今度は別のところを掘れという、
また次の日になると、また同じところをうめろという。

なぜ、穴を掘らねばならないのかわからないのにいやだといえない。
同じことの繰り返し。

日本兵がシベリア抑留というきびしい環境の中でも頑張れたのは
自分ががんばれば建物ができるとか、そういう目的があった。

しかし、ドイツ兵たちは獣のような叫び声をあげるとか、
岩に頭をぶつけるとかみんな発狂して死んでしまった。
骨がおれることをやるのにそれが何のためかわからない。

私たちも毎日働いているが、最終的な目的は分からない。
ゴールなしで走り続けなければならない。

なぜそこまでして得ないといけないのか。
この最終的な目的がわからないままにやっていく。
これは健全な状態ではない。

聞けば一年間に33000人も死んでいく。
管理職が多い、そうとう学歴があって、そうとうの人が
それは何のために生きるのかとか、
そういう知恵を学ぶ機会が圧倒的に
不足している。

だから変な宗教に走ったりする人もある。

勉強をするとか就職をするとかそれらは悪いことではない。
それらというのは人生究極の目的ではない。
それらは人生の小目標。
それらをやりながら最終的にどうなったら生きてきてよかったといえるのか
そういう知恵が大事。

校庭の円周トラックを走りつづけると言うのは始まりもなければ終りもない。
そういうトラックをずーっと走りつづけるということになってしまう。

人生の最終目的が分からないと生きる意味がない。

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