仏教研究室

お釈迦さまってすごいですよね。一緒に仏教を学びませんか?

四苦八苦と人生の意味

ブッダは、人間の8つの苦しみを
四苦八苦で教えられています。

四苦とは4つの苦しみで
生苦、老苦、病苦、死苦のこと。

なかなか死ぬということまでは心がかかりません。
それは、経験がないから。
経験のあることしか分かりません。

女性が苦しみを訴えるのに、男性は少しも分からない。
男性がどれだけ上司に叱られたということを女性に訴えても分からない。
お互い経験がないからです。

まだまだいつまでも生きていられると思っているうちは
死苦は分からないんです。

生苦というのは生きる苦しみ。
中でも一番分かるのは人間関係だといわれます。
相当苦しんでいる人もあると思います。

ですが、一旦死の苦しみが起こってくると、
人間関係なんてどうでもよく
なっしまう。
それくらい違ってくるんです。

老苦は、何となく分かるんですよね。
お年寄りを近くで見ているから。

病苦も、体験から分かるところもあるわけです。
風邪を引くと、おいしいものが食べられません。
夕方になると毎日40度近く熱が出るようになる、
そんな病気にかかったら、人生の苦しみのほとんどを失ってしまうのでないか
と経験から分かりますよね。

若い時には、「年老いてまで生きるくらいなら死ぬ」
こう思っている人もあるかもしれませんが、
「冷や飯食うても娑婆におりたい」と言って、
どんなに年を取っても、生きていたい、となるんですよ。

病院食を食べながらでも生きているのは
そうしてでも生きていたいから。

死ぬ気でやれば何でもできる。
これは、死ほど苦しいことはない、ということなんです。

老いは死のシグナル、病は死のたより、といわれます。
死を直接見ると、あまりに苦しいから
老いや病を通してオブラートに包んで死を見ている。

四苦八苦について、もっと詳しく知りたい方は、
こちらの記事を見てみてください。

true-buddhism.com

 

四苦八苦の苦しみは、四苦のほかに
あと4つの苦しみがあります。

愛別離苦
愛する人やものと別れていかなければならない苦しみです。

愛している対象への思いが強いほど、別れが悲惨なものになる。

では、一番愛しているのは、
「わが子を捨てるやぶはあっても、我が身をすてるやぶはない」
といわれます
一番愛しているのは自分の命なんです。
だから、最大の愛別離苦は自分の命を失うことです。

怨憎会苦というのも、嫌な対象が大きければ大きいほど、
会うのが嫌なんでしょ。

私も、不良にからまれた時期がありました。
朝起きたら学校へ行くのが嫌なの。
いつ殴られるか、リンチにあうか、ビクビクしていました。
殴られるくらいならまだしも、これがヒットマンだったら、
もっと嫌でしょ。
自分を殺す人以上に嫌なものはないですよ。
殺人までするストーカーというのもいるんですよね。
お前を殺して私も死ぬっていう。

私たちは、終始、自分を殺すストーカーに付きまとわれているようなものじゃないですか。
死んでいかなければならない以上の怨憎会苦はありません。

求不得苦という苦しみ。
これも、一番強い欲求は死にたくないという欲求です。
これを「生命欲」と岸本教授は言っています。

のどがカラカラに渇いた時は、バケツの水でも飲みたくなる。
「生きたい!!」というのは、のど渇いた時の欲求なんかより、
よっぽど強い欲求です。
だから、最大の求不得苦を人生の最後に経験しなければならないことになる。

死んでいかなければならない苦しみは、一番恐ろしい。

そこに向かって1日1日進んでいます。
「生きろ」
どこまで生きろというかというと、
死ぬまで生きよ

苦しみに向かって生きよ
人間は苦しむために生まれ、苦しむために生きることになってしまう。
みんな苦しむために生きているんじゃない。
幸せになるためです。

では、どうすれば幸せになれるんでしょうか。
なぜ生きるについて、明らかに答えを出されたのがブッダです。
だから、世界の光と尊敬されるのは当然なんです。

色んな人の人生観を聞いてみると、
全部「どう生きるか」です。

よく、「奇跡が起きて、ガンが治ったんです」
というのがある。
これは、死までの旅が少し長くなっただけ。
結局、死んでいかなければなりません。

では、生きていかなければならないのはなぜですか?

これにハッキリと答えを出しておられるのが仏教だということです。