仏教研究室

お釈迦さまってすごいですよね。一緒に仏教を学びませんか?

一向宗とは

一向宗と聞いたことがありますか?どうして一向宗といわれるのだろう?その
ことについて蓮如上人が教えられています。

 

  御文章1帖目15通「宗名・当流世間」

 問うていわく、「当流を、みな、世間に流布して、一向宗となづけ候うは、
いかようなる子細にて候うやらん、不審におぼえ候う」

 答えていわく、「あながちに、わが流を一向宗となのることは、

別して祖師もさだめられず。おおよそ阿弥陀仏を一向にたのむによりて、

みな人のもうしなすゆえなり。

しかりといえども、経文に「一向専念無量寿仏」とときたもうゆえに、

一向に無量寿仏を念ぜよといえるこころなるときは、一向宗ともうしたるも子細なし。

さりながら開山は、この宗をば浄土真宗とこそさだめたまえり。

されば一向宗という名言は、さらに本宗よりもうさぬなりとしるべし。

 

 

「あながちに、わが流を一向宗となのることは、別して祖師もさだめられず。

一向宗というのは親鸞 聖人がおっしゃったことではないですよ。

おおよそ阿弥陀仏を一向にたのむによりて、みな人のもうしなすゆえなり。

他宗の人がいっているのです。

 

だけどね、経文に「一向専念無量寿仏」と説かれているので…。

ここが蓮如上人、うまいところですね。

何という経文に出ているかな?

無量寿経

大無量寿経とは真実の経。

 

親鸞聖人

それ真実の教を顕さば、則ち『大無量寿経』これなり教行信証教巻)」

教えが説かれているのがお経 ですから、

真実の教典は大無量寿経これなり。

真実の教えが説かれている教典は大無量寿経だけである。

お経とは七千余巻、いっぱいあるね。

その七千余巻のお経の中で、真実の経典は大無量寿経

これ一つか?そういうことですね。

一切経は七千余巻たくさんありますけれども、真実のお経はたった一つ。

それ以外のお経は方便

真実の教えを説くための準備として説かれたのが方便、

方便とは真実に近づける、体得させるに必要なもの。

もともと方便とはウパーヤと言う。

サンスクリットではウパーヤ、ウパーヤとは近づけるということ。

真実に近づける必要なもの、方便。

釈尊は立った一巻のお経に近づけるために一切経
お釈迦様が本当に説きたかったのが大無量寿経

その中で教えられているのは「一向専念無量寿仏」。

 

しかりといえども、経文に「一向専念無量寿仏」とときたもうゆえに、

一向に無量寿仏を念ぜよといえるこころなるときは、一向宗ともうしたるも子細なし

蓮如上人お上手なところ。

一向宗とは他宗がいったこと、だけど釈迦様が唯一真実の経典といわれる

無量寿経の中に「一向専念無量寿仏」を説いておられる。

だから一向宗といっても良いではないか、そうすべきではないか。

一向に無量寿仏を念ぜよという意味なら言っても良いですよ。

 

 浄土真宗一向宗といっている人に、

一向宗ってどうして言うの?」

と聞くと、

「一向にかまわん宗だから一向宗

という人がある。

そういう意味では一向宗といても子細なし?だめだね。

一向に無量寿仏を念ぜよという意味なのですよ、

そういう意味なら良いですよ。

 

さりながら開山は、この宗をば浄土真宗とこそさだめたまえり。

されば一向宗という名言は、さらに本宗よりもうさぬなりとしるべし

もう一度ここで、親鸞聖人は浄土真宗といわれた。

一向宗ということは本宗から、我々からいったことではない。

そのことは知っておいてください。