考えてみると人間と言うのは、
娑婆で泣いたり笑ったり、喜んだり悲しんだり、
喜怒哀楽を繰り返して一生を終えていく。
どんな金持ちも、地位も名誉も財産もおいて死んでいく。
全て娑婆の中のでき事。
自民党が分裂、所詮は自民党の中のでき事。
アメリカ大統領がブッシュかゴアか。
所詮はアメリカの中のこと。
人間の世界は、苦しいことわずらわしいこといっぱいある。
娑婆の中のできごと。
朝のニュースとか見ていると、本当に娑婆だと思う。
誰と誰が別れる、結婚 する。
所詮は娑婆の中のでき事。
自分の幸せと関係あるか。
全くない。
毎朝、娘と一緒に朝ご飯を食べる。
ニュースを見るけれども、子供に見せたくなるようなニュースはない。
世のなか、どちらを見てもみんな苦しんでいるんだな、と思う。
みんな、この世はどうにもならない、どうしようもない。
どうせ人間みんな苦しんで死んでいくんだ。
有楽町のそごうがビックカメラになる。
ダイエーの創業者もとうとう負債総額一兆円以上。
経営陣から外されてしまった。
世の中、栄枯盛衰、いつまでも盛んなものはない。
みんな苦しんで死んでいく。
そんな苦しみ悩んでいる人々に、この世ではっきり心の闇が破れる。
無量光明土にいたる、大般涅槃を証す、往相回向を明らかにする。
そして、またすぐ衆生済度のタメに娑婆にもどってくる。
さっき、還相回向のことを普賢の徳といった。
普賢菩薩とは釈尊の脇士。
もう一方は文殊菩薩。
阿弥陀如来 の脇士は、観音菩薩、勢至菩薩。
普賢の徳とは、慈悲を表す普賢菩薩の徳。
その慈悲の心によって衆生済度せずにおれなくなる。
そのことが阿弥陀如来の本願にもちかわれている。
娑婆に戻ってくる、それは仏の慈悲の心による。
苦しんでいる人をほっておけない。
世の中、年配の人が荷物持っていてもなんとも思わない。
慈悲のカケラもない雰囲気。
慈悲の心とは困っている人を助けずにおれない、そういう心。
仏様が、「オレは幸せになれて良かった。娑婆は大変だな」
そうのんびりしておられれるはずがない。
すぐさま、慈悲の働きによって衆生済度せずにおれなくなる。
そういう働きもまた、阿弥陀如来から頂くもの。