仏教では恩を非常に重視する。
「知恩、感恩、報恩」
「知恩」恩を知る。
自分が今までどんな方から恩を受けてきたか、それを知る。
大学に入ると、ついついオレは自分で勉強して、ここまで来たんだ、と思いがち。
決してそうではない。下宿に暮らし始めると痛感するんじゃないかな。
食事、洗濯。
自分で作ってみて、今まで全部母親にやってもらっていたんだな、と感じる。
そういうご恩を知る。
「感恩」それを知識として知っただけでなく、心で感じる。
「いやー、俺は知ってるよ。」
知らないよりはいいけれども、心で感じる。
「報恩」その恩に報いようとする。
恩ということを感じる人ほど人間として立派な人といわれている。
逆に恩を感じない、だから報いようとしない。
そういう人は、たとえどんなに頭が良くても、権力があっても、尊敬できない。
私たちが、その人を見て本当にえらい人だな、と思うのは
恩を知り、それに報いよう、としている人をみたとき。
渋谷といえば忠犬ハチ公。たかが犬が待ってるだけじゃないか。
とてもそうは思えない。
主人が死んでも待つハチ公の姿に感動ぜずにおれない。
日本で映画を上映するとき、これをやれば絶対受ける、というものがある。
それが「忠臣蔵」。
普通だったら「馬鹿な君主を持ったなあ」
ところが、300人ほどいた人が最後47人、主君の仇をとった。
勿論、仇を取るのがいいことではない。
けれども私たちが感動するのは、受けたご恩を忘れず、それに報いようとする。
アメリカのルーズベルト大統領。この話を聴いて大変感動した。
恩を知ってそれに報いる、日本だけでなく、
アメリカでもヨーロッパでも、人間として尊い行為であるといわれる。
私たちはいろいろな方のご恩を受けてこうして生きている。
しかし、最も大きなご恩とは。
身近なご恩で一番深く思うのは親の恩。
だから仏教では親の恩。
山よりも高く 海よりも深いといわれている。
しかしそれ以上に大きなご恩というものがこの世の中にある。
それも仏教に教えられている。