ブッダが説かれた経典というのも、
それがどんな相手に説かれたかというのは決まっているんです。
いつ説かれたかは書かれてないですが、
どこで、誰を相手に書かれたかというのは書かれています。
「阿弥陀経」の最初にも、相手を書かれています。
「是の如く我聞く。一時、仏、舎衛国の祇樹給孤独園に在して、
大比丘衆千二百五十人と倶なりき。
皆是れ大阿羅漢にして衆に知識せらる。
長老舎利弗、摩訶目犍連・摩訶迦葉・摩訶迦旃延・摩訶倶チ羅・離婆多。
周利槃陀伽・難陀・阿難陀・羅睺羅・キョウ梵波提・賓頭盧頗羅堕・迦留陀夷・摩訶劫賓那・薄拘羅・阿㝹楼駄。
是の如き等の諸の大弟子。
並に諸の菩薩摩訶薩の、文殊師利法王子・阿逸多菩薩・乾陀訶陀提菩薩・常精進菩薩、是の如き等の諸の大菩薩。
及び、釈提桓因等の無量の諸天大衆と倶なりき」 (仏説阿弥陀経)
三乗である声聞とか縁覚や菩薩だけじゃなくて、諸天や大衆も入っています。
諸天とは天上界の衆生、大衆は人間界の衆生で、私たちです。
これらを五乗といいます。
三乗に諸天と大衆を含んで五乗といいます。
ここに書かれてあります。
浄土宗や浄土真宗の「阿弥陀経」は五乗が相手、
天台宗や日蓮宗の「法華経」は三乗の声聞とか縁覚や菩薩、
華厳宗の「華厳経」は菩薩のみ、
テーラヴァーダ仏教の小乗経典は声聞のみが相手なんです。
「阿弥陀経」は阿弥陀如来 の20願を明らかになされもお経ですから、
その相手は十方衆生となっています。